財務が見え~るデータ表示画面では、(5)の報告書選択画面で選択した報告書のBS・PLのhtmlを解析し、財務が見え~る用のデータに変換して表示、確認後 ファイルに出力する。
ここでは、財務諸表に水色のストライブが入っていない企業(以下特殊パターンと呼ぶ)について記述する。
特殊パターンのhtmlの構造
ホンダ2016年3月末の有価証券報告書 BS から流動資産合計部分
のhtmlソースを抜粋すると、 下のようになっている。
<tr style="height:20.3pt"> <td valign="middle" style="vertical-align:middle;border-top-color:#a9a9a9;border-left-color:#a9a9a9;"> <p class="smt_tblL" style="text-align:justify;padding-left:0pt;margin-top:0pt;margin-bottom:0pt;text-justify:inter-ideograph;text-indent:0pt;font-family:'MS 明朝';letter-spacing:0pt;line-height:10pt;"> 流動資産合計</p> </td> <td valign="middle" style="vertical-align:middle;border-top-color:#a9a9a9;border-left-color:#a9a9a9;"> <p class="smt_tblC"> </p> </td> <td valign="middle" style="vertical-align:middle;border-top-style:solid;border-top-width:0.75pt;border-bottom-style:solid;border-bottom-width:0.75pt;border-left-color:#a9a9a9;border-right-color:#a9a9a9;"> <p class="smt_tblR" style="text-align:right;padding-left:0pt;padding-right:4.5pt;margin-top:0pt;margin-bottom:0pt;text-justify:inter-ideograph;text-indent:0pt;font-family:'MS 明朝';letter-spacing:0pt;line-height:10pt;">6,296,140</p> </td> <td valign="middle" style="vertical-align:middle;border-top-color:#a9a9a9;border-bottom-color:#a9a9a9;border-left-color:#a9a9a9;border-right-color:#a9a9a9;"> <p class="smt_tblR" style="padding-left:0pt;padding-right:0pt;margin-top:0pt;margin-bottom:0pt;text-justify:inter-ideograph;text-indent:0pt;font-family:'MS 明朝';letter-spacing:0pt;line-height:10pt;font-size:10pt;"> </p> </td><td valign="middle" style="vertical-align:middle;border-top-style:solid;border-top-width:0.75pt;border-bottom-style:solid;border-bottom-width:0.75pt;border-left-color:#a9a9a9;border-right-color:#a9a9a9;"> <p class="smt_tblR" style="text-align:right;padding-left:0pt;padding-right:4.5pt;margin-top:0pt;margin-bottom:0pt;text-justify:inter-ideograph;text-indent:0pt;font-family:'MS 明朝';letter-spacing:0pt;line-height:10pt;">6,241,626</p> </td> </tr>
標準形式にあったような、<ix:nonFraction といった tagは全くない。
4つの td で区切られ、科目名・注記・前期金額・後期金額が配置されている。
國貞氏の著書 財務3表図解分析法の中で取り上げている企業を見てみると、特殊パターンで公開している企業の場合、全社同じような形式になっている。
したがって、htmlから必要な科目名を検索し、金額部分を切り出せば、目的の金額を求めることができる。ただし 科目名・様式などは 必ずしも統一されていない。
xbrlから 流動資産合計(CurrentAssets)を検索すると以下の2行がHitし
<jppfs_cor:CurrentAssets contextRef=”Prior1YearInstant_NonConsolidatedMember” unitRef=”JPY” decimals=”-6″>1154033000000</jppfs_cor:CurrentAssets>
<jppfs_cor:CurrentAssets contextRef=”CurrentYearInstant_NonConsolidatedMember” unitRef=”JPY” decimals=”-6″>1233512000000</jppfs_cor:CurrentAssets>
NonConsolidatedMember つまりは 非連結の値しか記載されていないことが分かる。
変換に用いた科目名
財務3表図解分析法 の中で取り上げている企業のうち、特殊パターンで公開している企業をテストケースとし、変換に使用した科目名を下表に示す。
html上の科目名の金額を求め、その和を変換結果とした。
財務が見え~るの科目名 | html上の科目名 |
流動資産 | 流動資産合計 |
固定資産 | 固定資産合計 , 非流動資産合計 |
その他資産 | |
流動負債 | 流動負債合計 |
固定負債 | 固定負債合計 , 非流動負債合計 |
純資産合計 | 資本合計 |
利益剰余金 | 利益剰余金 |
売上高 | 売上高,売上収益 |
売上総利益 | 売上総利益 売上総利益の記載がなく売上高・売上原価の記載がある場合 売上高-売上原価 |
営業利 | 営業利益 |
当期純利益 | 当期純利益 , 純利益 , 当期利益 , 四半期利益 |
短期借入金 | 短期借入金 , その他の短期金融負債 , 短期金融負債 , デリバティブ金融負債 |
コマーシャルペーパー | |
1年以内長期借入金 | |
1年以内社債 | |
1年以内新株予約権付社債 | |
1年以内リース債務 | |
流動負債内有利子負債 | 流動負債中の 有利子負債 , 資金調達に係る債務 , その他の金融負債(注2) |
長期借入金 | 長期借入金 , その他の長期金融負債 , 長期金融負債 |
新株予約権付社債 | |
リース債務 | |
固定負債内有利子負債 | 固定負債中の 有利子負債 , 資金調達に係る債務 , その他の金融負債(注2) |
注1)上表でhtml上の科目名欄が空白になっているのは、テストケースに選んだ企業に該当するケースが無かったため。
注2) 標準パターンの場合、有利子負債は詳細の科目に対応するが、特殊パターンの場合 流動負債・固定負債それぞれの合計で集計されている場合がある。
変換結果
ホンダの2016年3月末の有価証券報告書 BS・PL をもとに、財務が見え~る用のデータに変換して表示した例を下に示す。必要があれば、ここでデータの修正も可能。
HtmlAgilityPackを使い以下の手順で、データ変換を行った。
- html を tr をもとに、行毎のノードに分解する。
- 先頭の子ノードに、指定した科目名が含まれる行ノードを求める。
- その行の末尾の子ノードから、金額を求める。
特殊パターンの場合には、科目名・様式が統一されていないため、特に科目名の決定には、試行錯誤が必要だった。前述した変換に用いた科目名は、あくまでも今回テストケースとした企業で使われていた科目名をもとに実装したものである。
そのため 特殊パターンの場合は、BS・PLを見ながらデータを確認することは必須の作業になる。